県吹連NEWS<インターネットかわら版> 1998年(平成10年) 9月 9日号


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発行 :加古川市平岡町新在家1801
兵庫県吹奏楽連盟 Fax 0794-24-2710


 去る8月12日に開催された、高等学校A部門をもって、本年度の吹奏楽コンクール全日程を終了いたしました。お世話いただいた関係各位主管連盟の先生方に心よりお礼申し上げます。


 さてここでいくつかの観点からコンクールを考察してみます。

T 課題曲について

 「マーチ」と「その他の楽曲」に分かれて6年目になります。当初はマーチの年にはA部門が多く、その他の年にはグンと減るという傾向といった現象が見られました。マーチが易しくその他が難しい(編成的にも技術的にも)という固定観念なのでしょうか。しかし、徐々にこの傾向(技術や表現上の難易及び編成の大小)は緩和されつつあるので、それより、課題曲そのものを、義務として、また受け身的に感じ取るところにポイントがありそうです。本来の個々の団体の実力は自由曲にあり、とする観点に立ち、できるだけ時間的にも自由曲に重点を置きたいとの考えのもとに、短いタイムの課題曲を選ぶのではないでしょうか。12分の時間制約は、どうしても選曲上絶対的な影響力を持ちます。課題曲・自由曲ともに生命のある音楽づくりに努力したいものです。元来楽曲の演奏時間の度合いや軽重などあるはずもないのですから・・・。
 いずれにしても常に魅力ある課題曲であって欲しいものです。
 来年の第46回吹奏楽コンクールは、マーチの年です。A部門の大激増を期待します。

U B部門・S部門について

 今回も予想に違わず、BS部門に多数の出場がありました。一般的な見方によりますと「人数も35名以上いるし、コンクールには出場はしたいけれど、課題曲は演奏したくない。審査は受けたいけれど、関西大会や全国大会等を目指すつもりもない。従って、メンバーを30人にしてB部門に。」もう一方では、「課題曲・自由曲の2曲を演奏するのは負担になるので、自由曲のみに絞りたいから」という意見もあります。 また、「課題曲は演奏したくないけれども、関西大会等への出場は目指したい、あるいは、編成上のアンバランスなどもあり、幸いに人数も少ないのでS部門へ」等々。
 先の「関西吹連NEWS」の中に小編成について端的でシビアな意見がありました。小編成の団体はA部門に出場できますが、大編成の団体はS部門に出場することはできないという記事をご記憶でしょうか。もともとこの部門は、地域的(特に過疎地域中心)なハンディや指導者の事情やその他大編成がどうしても成り立ちにくい条件にある学校のために設定された経過があります。

 あくまでも、育成段階・保護段階にある部門であることが忘れられてはならないのです。「大学や一般部門にもS部門を」とか「きらめき賞や優秀賞でなく金・銀・銅賞を」とか「小編成の全国大会を実施して欲しい」等々、どこか観点がずれてしまった意見が多いことには閉口します。もう一度各府県で基本からよく学習して欲しいというのが関西吹連の結論なのです。

V 小学校部門について

 全国的にも小学校バンドフェステ
ィバルの意義と内容がはっきりしなくて、現場の指導者が困惑しているという現状があります。関西でもコンクールやマーチングの府県大会は自由実施であります。しかし、本県のように、関西予選としてではなく
コンクールに小学校部門を継続している府県もいくつかあります。また一方では、関西コンクールでも時間の余裕があれば小学校部門を復活させてはどうだろうとの声もあります。確かにメリットもいくつかあるので素直な気持ちで再度検討してはどうでしょうか。


 さて、本県の今回の小学校部門は「お互いに聴き合うこと」が大切という観点から、客席からステージへという順路がすばらしい発想であった。小学校部門らしい運営だと、審査員はじめ観客も好意的でした。事務局の英断を賞したいと思います。

W その他

 本年度初めて用意した準備打楽器は大変好評でした。BDも用意して欲しいという要望もあり今後検討していきたいと思います。また、プログラムの表紙デザインが刷新され、中身のレイアウトも少しずつ変化があり、充実のあとがみられるが、各地区事務局長や関係者の意見を出し合ってより見応えのある深い内容のものにしていきたいものです。また事業名にふさわしい「吹奏楽祭」の意義を生かせるステージなり部門や内容の検討等により吹奏楽のより高い市民権の確保を目指したいと思います。最後になりましたが、日程・時程上でも調整困難の中で、県生活文化部 西野正矩次長 県教育委員会 陰山 茂次長のご来臨を賜ったことに心よりお礼を申し上げます。

 兵庫県吹奏楽連盟理事長
         馬 場 武 彦


 コンクールの終了と同時に秋風が心地よい季節となりました。いよいよ正式ドメインが交付されHPも充実していくことでしょう。最後になりましたが、西阪神会場で食中毒にあわれた関係者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。